塚崎のクス | フローリング総合研究所
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2019.11.18

塚崎のクス

大隅半島の肝付町には、4世紀後半から5世紀前半にかけて築 造されたという塚崎古墳群が広がっている。
前方後円墳と円墳 が全44基存在しているが、そのうち1号墳のうえには「塚崎の大クス」 がどっしりと根を下ろしている。このクスノキの樹齢は推定1,200年以上。塚崎神社の境内にあり、 創建当初から御神木であったと伝えられている。主幹には大きな 空洞があり、怪物が大口を開けて咆哮しているかのようであった。この穴には大蛇が住むという伝説があるという。
2000年に訪れたときには、台風によると思われる傷跡が各所に見られたものの、樹勢は旺盛であった。木の枝や幹に多様な植物 が着床しており、一樹にして多様な生命圏を形成していたのが 印象に残っている。しかし、樹勢の衰えが心配され、2007年から 2010年にかけて着床植物を取り除くなどの樹勢回復処置が施さ れたようだ。あたりの遺跡とともに、古代の神秘的な霊気を強烈に 放っているかのような巨樹である。

指定:国指定天然記念物
所在地:鹿児島県肝属郡肝付町野崎2243 大塚神社境内
樹種:クスノキ
樹齢:推定1,200年~1,300年
樹高:32m
幹周:14m
撮影:2000年
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