2020.09.01

[基礎編⑦] インテリアコーディネートテクニック③「カーテン」

 

カーテンはインテリアコーディネートを計画する中で、床と同様、空間イメージに大きな影響を与えると同時に、暮らしの機能面でも重要な役割を担っています。
生地選び、ヒダの取り方、生地と生地の組み合わせなど、十人十色といわれるインテリアの可能性を広げているカーテンの世界。ファブリックによる無限大のアレンジを楽しむために、使い方と魅せ方のルールをおさえましょう。魅せ方のルールの中では、床色との組み合わせについてもご紹介いたします。

①使い方のルール

カーテンは日差しや視線を遮るだけではなく、さまざまな役割を担っています。

1、光の調光や遮光
窓の向きや部屋の用途(寝室など)に合わせて外部からの光をコントロールします。
例)遮光カーテン
2、視線を遮る
外部からの視線を遮り、プライバシーを守ります。
例)ミラーカーテン
3、断熱や保温効果
外気の侵入を防ぐほか、室内の温かさを逃がさないようにします。
例)遮熱カーテン
4、遮音や吸音効果
音漏れや外部からの音の侵入を防ぎ、音を吸収し反響を軽減します。
例)ベルベットのような厚地カーテン

その他カーテンの用途としては、空間と空間を仕切る「間仕切り」として活用する場合もあり、カーテンはインテリアの中でも多機能です。また、ウォッシャブル生地など、自宅で簡単に洗濯できる生地も多く、日常でのメンテナンス性も生地選びの際のポイントです。

カーテンは、空間を華やかに彩りつつ、生活を支える道具のひとつです。特に光、視線、温度、音環境は住んだ後にその効果を実感します。デザインも重要ですがまずはその前に、部屋ごとに必要な機能をチェックしてみてください。住まいの方角、窓の大きさと日差しの入り方、部屋の用途などを考慮して、役割に適した生地選びの視点をもちましょう。

②魅せ方のルール

空間を活かすカーテンアレンジには、色とサイズ選びが重要です。

1、色選び
カーテンはインテリアの中で、ボリュームがある(面積が大きい)アイテムです。同じ色・柄を選んでも、ボリュームの大小によりインパクトは大きく違います。選び方の目安として、基礎編③でご紹介した「メリハリと同化の法則」を応用します。
一部屋に窓が複数ある場合、または窓面積のボリュームが大きい場合には、壁面に「同化」するカーテンを選ぶと、部屋全体がスッキリした印象にまとまります。逆に小さな窓や腰窓、一部屋に窓が一つしかない場合には「メリハリ」色を選ぶと、カーテンが部屋のアクセントになり素敵です。

●特に、部屋に入ってすぐ目線に入りやすい場所(=フォーカルポイント)に窓がある場合は、大胆で印象的なカーテンを選ぶのも効果的。斬新なデザイン生地は、アートのようなアレンジが楽しめるのもカーテンの魅力です。

アートのようなカーテン生地(画像提供|日本フィスバ株式会社)

●「同化」でまとめる場合は、床色とのバランスも考慮しましょう。例えば、明るめのフローリングにベージュ系の壁紙、合わせるカーテンに生成り色を選ぶと、色の統一感によって優しい印象の一体感が生まれます。ポイントは壁紙とカーテンの「白」の選び方。青みがかった白より、生成り色を選ぶ方が、床色に寄り添う優しいコーディネートが完成します。

(床:LiveNatural Premium RUSTIC ハードメイプル|朝日ウッドテック株式会社)

(参考)
*メリハリと同化の法則
https://www.woodtec.co.jp/lab/coordination/basic/color-coordinate/
*アクセントカラーの使い方
https://www.woodtec.co.jp/lab/coordination/basic/color-coordinate2/

2、サイズ選び
カーテンサイズは窓サイズに合わせるのが一般的ですが、窓とあえて合わせない魅せ方があります。

●天井を高く見せるアレンジ

(画像提供|株式会社サンゲツ)

カーテンサイズを決めるときに、窓の高さではなく天井高を意識します。カーテンで高さを強調し魅せる方が、高さ方向(天井高)に広がりが生まれます。
レールが天井の中に入り込む「埋込カーテンボックス」は高さを強調するには効果的。特にリフォーム時は、取り付け位置変更のチャンスです。

(画像提供|株式会社菜インテリアスタイリング)

天井高を強調するため、上下とも窓にカーテンサイズを合わせていません。壁へのカーテンレール取付には、下地の有無を要チェック。

●窓に統一感を出すアレンジ
例えば、腰窓と掃き出し窓のようにサイズが違う窓が並ぶとき、同じ生地を選んでもスッキリ見えないことがあります。(※腰窓:床と天井の中ほどの高さにある窓、掃き出し窓:窓から外に出ることができる窓)
この場合も、窓サイズに合わせないカーテンアレンジが解決策になります。二室を一室にしたリフォーム事例で、このアレンジが大活躍。窓まではリフォームできず統一感がなかった見え方を、カーテンが解消しました。リフォームでは、カーテンでデメリットをカバーする方法も有効です。

高さ、横幅が違う左右の窓を、カーテンでまとまりをつくった例(画像提供|株式会社菜インテリアスタイリング)

〇カーテンで省エネに!
カーテン生地が窓を大きく覆うことは、保温性からもメリットがあります。ドレープとレースにたっぷりヒダをとり(標準仕様は2倍ヒダ)窓ガラスと室内の間に空気層をつくります。熱気や冷気の侵入を防ぐとともに、室内の暖かい空気を逃さないため、省エネにも貢献します。

暮らしの道具としてのカーテン選びには、役割と魅せ方のルールがポイントです。

菜インテリアスタイリング尾田恵

インテリアデザイナー
尾田 恵 ODA MEGUMI
株式会社 菜インテリアスタイリング/一般社団法人 日本インテリア健康学協会(JIHSA)代表
住宅、福祉施設、TV番組など様々なインテリアコーディネート・デザイン、商品開発、情報発信に携わる。 現在は幅広い活動で培った知識・スキルを活かし、身体と心の健康を目指したインテリア・メソッド「Active Care®」(アクティブ・ケア)を提唱。

●所属
公益社団法人日本インテリアデザイナー協会(JID)正会員

経済産業省 JAPAN DESIGNERS登録
帝京大学大学院公衆衛生学研究科
照明学会会員
日本頭痛学会会員
http://sai-interior.co.jp/
http://jihsa.jp/

ABOUT THIS PAGE

このWebサイトではフローリングの⽊材や作り方のこと、歴史や文化のことなど、様々なアプローチから私たちの日々の研究の成果をお伝えします。