「イメージスケール」の活用法②
イメージスケールとは何かを知ったところで、具体的なインテリア素材を当てはめてみましょう。新築のようにゼロからインテリア計画を考える場合には、まずイメージする空間に合う「床材選び」から始めます。床材は空間の中でボリュームが大きいため、インテリアイメージを大きく左右する重要な素材。床材を単体で見るのではなく、空間全体の中でバランス良くコーディネートできるかどうかを、イメージスケールに当てはめ確かめます。
床材を見て軽い、重い、暖かい、冷たい、4つの言葉のみに置き換え、見たまま、感じたままのイメージから、イメージスケールの中のどの場所に位置するか考えてみましょう。住まいの一般的な床材として、フローリングを例にしてみます。
例えば、つくりたいインテリアイメージが「ナチュラル」だとします。ナチュラルは軽くて暖かい世界。まず上記のフローリングから、軽くて暖かく感じるものを選びます。色はやや明るめ。暖色系がイメージされます。
さらに、イメージスケールに当てはめ、確認します。
ナチュラルの楕円の範囲に入っていたら、「ナチュラルにコーディネートしやすいフローリング」となります。逆に言うと、ナチュラルなインテリアをつくるためのフローリングを、多くの選択肢から間違いなく見つけるためにイメージスケールを使います。床材以外の素材も作業は同じです。
インテリア計画は選択の連続。しかも選ぶ日時もお店も違えば、ある程度の期間もかかります。「イメージスケール」の活用法1でもお話しましたが、まとまりのないインテリアとは、1つの部屋に色々なイメージが混じり合ってしまうこと。それぞれの素材をその日の気分で選べば、最終的に1つの空間にそれらが集まった時、「あれ?何か違う。」と、インテリアコーディネート失敗にもつながってしまうのです。イメージスケールは、頭の中に入れて持ち歩ける便利なものさし。お互い引き立て合う存在かどうか、確認と選択を重ねる作業がインテリアコーディネート成功の鍵になります。
この作業が慣れてくると、インテリア計画での時間的メリットも大きいです。イメージから外れた選択肢がはっきりするので、無駄に悩む必要が無くなります。最終的に絞られた素材の中から、自分好みのものをじっくり検討する。イメージスケールは、大きな間違いと無駄のないインテリア計画に役立つものさしです。
インテリアデザイナー
尾田 恵 ODA MEGUMI
株式会社 菜インテリアスタイリング/一般社団法人 日本インテリア健康学協会(JIHSA)代表
住宅、福祉施設、TV番組など様々なインテリアコーディネート・デザイン、商品開発、情報発信に携わる。 現在は幅広い活動で培った知識・スキルを活かし、身体と心の健康を目指したインテリア・メソッド「Active Care®」(アクティブ・ケア)を提唱。
●所属
公益社団法人日本インテリアデザイナー協会(JID)正会員
経済産業省 JAPAN DESIGNERS登録
帝京大学大学院公衆衛生学研究科
照明学会会員
日本頭痛学会会員
http://sai-interior.co.jp/
http://jihsa.jp/