2019.02.28

2015 ミラノサローネレポート [後編]

色とりどりなフローリング

今年もたくさんのブースで家具にコーディネートされる木の床を見ることが出来ました。とくに目を引いたのは、世界的な人気を誇るイタリアのファッションブランド「DIESEL」が手掛けるホームコレクション「DIESEL LIVING」のブースです。8つ程の独立した部屋にそれぞれ床が貼り分けされており、そのどれもが独創的な色とデザインになっていました。ここではインテリアにおけるカラー要素としての木の床の可能性とともに、床によって空間のイメージが大きく変わることをあらためて感じました。

※以下、DIESEL LIVING展示ブース。部屋によって様々な床材が貼り分けられている

デザイナーの視点でデザインされる床

プロダクトとインテリアを中心とした世界中のデザイナーが最も活躍するイベントとも言えるミラノサローネ。今年も世界のトップデザイナーがミラノに集結し、様々な作品を披露していましたが、今年は比較的珍しい「フローリング」のデザインが2つ発表されています。ひとつはイタリアのフローリングメーカー「Listone Giordano」が発表していた新作フローリング「BISCUIT」(‥‥フランス語でビスケット)です。名前の通りビスケットのような可愛らしいデザインは見えているだけでも楽しくなります。
デザイナーは、今世界で最も活躍しているデザイナーの一人である、パトリシア・ウルキオラ。ヒットメーカーとして知られるパトリシア・ウルキオラが二年前に発表したデサインスタイル「アズレージ」が今、世界中で大ブームになっているとのことで、もしかしたら「BISCUIT」も大きなブームになるかもしれません。

  • BISCUIT
  • BISCUIT

※イタリアのフローリングメーカー「Listone Giordano」が発表した 「BISCUIT」(…フランス語でビスケット)。デザイナーは、パトリシア・ウルキオラ

そして、もう一つがnendoの発表した朝日ウッドテックの「Live Natural」プレミアム『ストリーム』です。先にご紹介したように「ストリーム」のコンセプトは、「空間に速度を生むフローリング」。表面に施される溝の間隔、ビーズの幅の違いによって空間の速度を変えるという、新しい発想から生まれたフローリングです。単に幅を変えた、いわゆる乱幅の意匠デザインではなく、空間に意図を与えるという従来になかったデザインコンセプトは、空間やインテリアの作り方を大きく変える可能性を持っています。

まだまだ拡がる建築の可能性

ミラノの展示会場でnendoの佐藤オオキ氏がこのように語っておられました。

「椅子やテーブルといった家具は、従来からデザインの対象として見られてきました。そして、デザイナーの新しい視点によってデザインされた建材で、空間の作られ方が変わってきたり、インテリアや建築の考え方が徐々に変わってくるというのが、大きな変化、流れとしてあるような気がします。エンドユーザーがクリエイティブになってきているということがあり、今後、建築の1構成パーツであった建材を『この椅子がいい、このソファーがいい』というのと同じ感覚で選ぶ時代に急速になっていくのではないでしょうか。」 

今回のミラノサローネで、偶然にも今世界で最も活躍するパトリシア・ウルキオラとnendoの佐藤オオキの二人が、「床材」のデザインを発表したことが、まさに佐藤氏のいうように、建築も新しい発想からデザインし、その建材が空間の作り方を変えていくという時代の到来を象徴しているように思います。
心の豊かさが求められる時代に置いて、新しい感性価値を生み出してくれる「デザイン」は建材においてもますます重要な要素になってきています。そのことをあらためて感じることができ、そして、建材・床材にも、まだまだ大きな可能性が拡がっていることを教えてくれた今年のミラノサローネ。今後も、常に新たな発見のあるトレンドの発信地に注目していきたいと思います。

大きなキャラクターをデザインとして取り入れる。「Riva1920」

ラステックテイストは一つおジャンルとして定着。「Riva1920」

カリモク家具の展示。フィエラにて

飛騨産業のチェア。TOKYOのクリエイティブを世界に発信する「TOKYO DESIGN WEEK」にて

「Minotti」展示ブース床材。針葉樹のブラック着色浮き造り加工仕上げ

「LEMA」展示ブース床材。白目仕上げ

「TOUREMONDE BOCHART」展示ブース木材。矢羽貼り

こちらは「Cassina」ショールーム床材。乱巾グレー着色帯鋸目加工仕上げ

ABOUT THIS PAGE

このWebサイトではフローリングの⽊材や作り方のこと、歴史や文化のことなど、様々なアプローチから私たちの日々の研究の成果をお伝えします。