志多備(しだび)神社のスダジイ | フローリング総合研究所
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2020.08.07

志多備(しだび)神社のスダジイ

志多備神社は、8世紀に記されたという『出雲国風土記』にも「志多備の社」としてその名が見える古社である。境内が鎮座する地域はシイ・クス・カシ等の照帯樹林帯の北限にあたるらしい。
境内にはスダジイの大木が2本残っているが、元来このあたりにはスダジイの自然林が広がっていたといわれている。「志多備神社のスダジイ」として県の天然記念物に指定されているのは、本殿の近くに立ち、御神木として祀られる一樹である。大きな枝が社域を覆い、昼なお暗い神秘的な雰囲気を漂わせていた。主幹は、高さ3mあたりから9本に枝分かれしている。
毎年11月9日にはこのスダジイに稲藁で編んだ大蛇を飾り、農作物の豊作を祈願する総荒神祭が催されている。私が訪れたときには、主幹の分岐部にまだ新しい大蛇がとぐろを巻いていた。

指定:県指定天然記念物
所在地:島根県松江市八雲町西岩坂690-2103 志多備神社境内
樹種:スダジイ
樹齢:推定300年以上
樹高:20m
幹周:11.4m
撮影:2000年
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