宝生院の真柏(しんぱく) | フローリング総合研究所
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2021.06.11

宝生院の真柏(しんぱく)

香川県と岡山県の間に浮かぶ小豆島(しょうどしま)は、瀬戸内海で淡路島に次ぐ大きな島である。近年はオリーブの栽培でよく知られ、観光地としても人気が高まっている。
島内には弘法大師が生国の讃岐と京都とを行き来する際にしばしば立ち寄ったという霊場、小豆島八十八ケ所がある。宝生院はその第54番霊場で、島の南西に位置する。この境内の一段高い広場に生い茂っているシンパクの大樹に出会うことは、長年の念願であった。
シンパクとはヒノキ科の針葉樹で、イブキの変種であるミヤマビャクシンの別名である。主幹は地上1mほどのところで3つに分かれ、それぞれ天に向かって大きく枝を広げている。旺盛な樹勢はまるで森のようだ。根周りは一番細い地際でも17m近くある。根元には大きな空洞が空いていた。幹には深いシワが刻まれている。それが亀や竜、鷹、象など、さまざまな動物に見えるのだという。
この巨木には、応神天皇のお手植えであるという伝説がある。それが史実であれば、樹齢は1,600年あまりになる。

指定:国指定天然記念物
所在地:香川県小豆郡土庄町北山412 小豆島霊場第54番 宝生院境内
樹種:ミヤマビャクシン
樹齢:推定1,600年以上
樹高:20m
幹周:7.3m
撮影:2007年
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