

善福寺のカヤ
和歌山県紀美野町の山間に位置する善福寺には、境内を象徴する巨木「カヤ」が立っています。周囲を山に囲まれた静かな環境にあり、古くから地域の人々に守られてきた存在です。
善福寺へは、阪和自動車道・海南東ICから国道370号を東へ進み、毛原宮交差点から山道へ入ります。山間部を進む道は交通量も少なく、周囲の自然を感じながら訪れることができます。
境内には、本堂へと続く石段の下と上にそれぞれ1本ずつ、計2本のカヤが立っています。いずれも実をつける雌株で、和歌山県の天然記念物に指定されています。石段上に立つカヤは特に大きく、境内を見下ろすようにそびえる姿が印象的です。一方、石段下のカヤも幹周約4メートルを超える規模を持ち、十分な存在感を放っています。
カヤは古来より建築材や仏具材としても用いられてきた樹種であり、寺院との関わりが深い木でもあります。善福寺のカヤもまた、長い年月を経てこの地に根を張り続けてきました。
この地域はかつて、海南方面から高野山へと向かう参詣道の一部にあたり、山中を行き交う人々にとって善福寺と2本のカヤは目印の役割を果たしていたと伝えられています。
静かな山間に立つ2本のカヤは、現在も境内にその姿をとどめています。
所在地:和歌山県海草郡紀美野町勝谷
樹齢:800年(共通)
樹高:23m(石段上)/20m(石段下)
幹周:7m(石段上)/4.3m(石段下)
撮影:2018年
付近の立ち寄り情報
円明寺地区
善福寺から車で約5分ほど山を下ると、円明寺地区へと入ります。周囲を山に囲まれた静かな集落で、ゆったりとした時間が流れています。
この地域には目立った巨樹は見られませんが、散策をしていると小さな寺院が点在しており、地域に根付いた風景に出会うことができます。苔に覆われた石段を上ると、手入れの行き届いた竹林が広がり、周囲とは異なる落ち着いた空間が広がります。
山間の静けさと竹林の清々しさが感じられる場所で、善福寺のカヤとはまた異なる自然の魅力に触れることができます。


