
延命寺の夕照モミジ
延命寺は、弘法大師(空海)が開いたと伝えられる由緒ある古刹です。弘法大師がこの地を訪れた際、薬樹や薬草が豊かに自生しているのを見つけ、布教の拠点として地蔵菩薩を刻んで安置し、「法羅山宝憧寺」と名づけたのが始まりとされています。
境内の山門をくぐり、右手の小高い崖の上に立つのが「夕照モミジ」と呼ばれるイロハカエデの巨木です。幹は根元近くで二股に分かれ、横に広がった枝が途中から上へと伸びる独特の姿をしています。根元には空洞が見られるものの、葉ぶりや枝ぶりは力強く、老木ながらも生命力にあふれています。
このカエデは、弘法大師の手植えと伝わり、夕日に照らされる姿の美しさから「夕照モミジ(せきしょうもみじ)」と呼ばれるようになりました。板張りは東西に12メートル、南北に15メートルと広大で、崖の下へ向かって枝を広げています。
秋になると、この夕照モミジを目当てに多くの人々が訪れ、延命寺は紅葉の名所として賑わいを見せます。
所在地:大阪府河内長野市神ガ丘492
樹齢:推定1000年
樹高:9m
幹周:5m
撮影:2018年 ※一部CG加工済
付近の立ち寄り情報
すだれ資料館
延命寺から車で約15分の場所にある「すだれ資料館」は、かつて簾(すだれ)の産地として知られた大阪府河内長野市にある、簾の文化と歴史の魅力を伝える資料館です。日本文化としてはぐくんだ 「すだれ」 を世界のインテリアデザインとしての普及をめざし開館されました。国内外から集められた歴史的価値の高い簾や、当時使用されていた製造機械・道具、文献や映像資料など多数を展示しています。
また、「すだれ資料館」で制作された簾のひとつ、座敷簾 小紋 は話題映画 「国宝」 のセット意匠に採用されています。華やかな意匠と伝統の風合いが映画の世界観に見事に調和したことから、多くの注目を集めています。

入り口を入ると、格式ある「御簾(みす)」が出迎えてくれます。 
竹の「大割機」。この機械によって生産性が飛躍的に上がったようです。

真竹や孟宗竹、大名竹など、国内外の多種多様な竹素材が展示されています。 
ウォルナットやオーク等を使った簾。不織布を単板で挟んで作られています。







