
飛騨国分寺は、天平時代に聖武天皇の詔(みことのり)によって創建された。境内の大イチョウもそのとき植えられたと伝えられており、樹齢は1,200年と推定されている。イチョウは仏教とともに日本へ伝えられた外来種であるため、樹齢1,400年を超えるものは存在しない。「飛騨国分寺の大イチョウ」は今生きているもののなかでもとくに長寿であり、貴重な一樹であるといえよう。長い年月のなかで境内の堂宇が焼失し、建て替えられてきた一方で、この木は無事に生き残ってきたのである。かなり以前に飛騨国分寺の大イチョウと出会ったのは、盛夏の頃であった。樹幹が緑の葉にすっぽりと包まれていたことが思い出される。今回、改めて春先に訪れたところ、X線写真を撮ったように見事な枝振りを見ることができた。1本も支えをもたず、新芽を纏ってすっくと立った偉容は、まさに春の一刻にしか現れない美樹であるといえよう。

1993年に行われた環境省の『巨樹・巨木林調査』によると、国内の巨樹ベスト5の第4位にイチョウが食い込んでいる。元来長寿の木であるというだけでなく、多くの人の手によって大切に育てられてきたのであろう。外来種にも関わらず、よく根付いたものだと感心させられる。
指定:国指定天然記念物
所在地:岐阜県高山市総和町1-83 飛騨国分寺境内
樹種:イチョウ
樹齢:推定1,200年以上
樹高:37m
幹周:10m
撮影:2016年
所在地:岐阜県高山市総和町1-83 飛騨国分寺境内
樹種:イチョウ
樹齢:推定1,200年以上
樹高:37m
幹周:10m
撮影:2016年
