
石徹白村は、「秘境」という言葉が掛け値なしに通用するところだ。長良川を水源まで遡り、海抜約1,000mの檜峠を越えてやっとたどり着く。平家の落人伝説があるというのも納得の場所であった。村内には山の方へと続く石ころ道があり、丈高い草むらのなかに消えていた。白山修験道の中心地であり、富士山・立山と並んで日本三霊山のひとつに数えられる白山への参拝道である。この急坂を登りきったところに、国の天然記念物に指定される「石徹白の大杉」は立っていた。
古来より、白山の聖域を示す境界木としての機能を果たしてきたのであろう。その樹肌は驚くほど白く、なんともいえず神々しい。幹周は約14mもあり、12人ほどでないと抱えられないことから「十二抱えの杉」とも呼ばれている。この杉には、718(養老2)年に白山を開いたとされる泰澄(たいちょう)大師にまつわる民話がある。大師が山を登ろうとしているとき、一頭の熊が現れて湧き水へ導いた。その場所に大師が杖を挿すと、根付いて石徹白の大杉になったのだという。この話に関するものなのか、大杉のそばには今清水社の跡を示す小さな祠があった。樹齢は推定1,800年。スギの巨樹としては第一級の風格のあるものである。

指定:国指定特別天然記念物
所在地:岐阜県郡上市白鳥町石徹白 白山中居神社境内
樹種:スギ
樹齢:推定1,800年
樹高:27.5m
幹周:14m
撮影:2004年
所在地:岐阜県郡上市白鳥町石徹白 白山中居神社境内
樹種:スギ
樹齢:推定1,800年
樹高:27.5m
幹周:14m
撮影:2004年
