
高照寺は、能登半島の最北端を占める珠洲(すず)市の海岸近くに鎮座する。小さな高台に建つ本堂のすぐ下には広々とした水田が広がり、その一角に異様さを感じさせるほど大きな木が立っていた。「能登の一本杉」とも呼ばれる「高照寺の倒さ杉」である。
樹齢900年と推定されているが、樹高は12mと低い。スギは本来真っ直ぐ育つが、この木の場合は長年にわたり強風や積雪に圧しつけられたことによって、上よりも横に伸びたのだろう。太い幹はよじれ、大枝は折損しつつ横に約30mも伸びている。やや下方に垂れた枝の先端付近には、地面に接して根付いているところも見られた。まさに上下を逆さにしたような珍しい姿で、「倒さ杉」と名付けられたことにも頷ける。この巨樹には、八百比丘尼(はっぴゃくびくに)が手植えしたという伝説がある。八百比丘尼が高照寺に立ち寄った際、昼食に使った箸を地面に挿したところ枝葉が伸び出した。しかし、上下を反対に挿してしまったために現在のような逆さまの姿になったのだという。
指定:県指定天然記念物
所在地:石川県珠洲市上戸町寺社6-9 高照寺
樹種:スギ
樹齢:推定900年
樹高:12m
幹周:6.9m
撮影:2014年
所在地:石川県珠洲市上戸町寺社6-9 高照寺
樹種:スギ
樹齢:推定900年
樹高:12m
幹周:6.9m
撮影:2014年
