魅力ある空間における「床」 | フローリング総合研究所
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2020.02.26

魅力ある空間における「床」

ブランドプロデューサー
柴田陽子

神奈川県生まれ。大学卒業後は、外食企業に入社し、新規業態開発を担当。その後、化粧品会社での商品開発やサロン業態開発なども経験し、2004年「柴田陽子事務所」を設立。ブランドプロデューサーとして、コーポレートブランディング • 店舗プロデュース • 商品開発など多技に渡るコンサルティング業務を請け負う。セブン&アイ・ホールディングス「グランツリー武蔵小杉(2014年)」総合プロデューサー、ミラノ国際博覧会(2015年)における日本館レストランプロデューサーを務める他、東急電鉄「ログロード代官山(2015年)」「渋谷ヒカリエ(2012年)」、ローソン「Uchi café Sweets」、パレスホテル東京、日本交通、東京會舘、野村アセットマネジメント「ファンズアイ」などのブランディングに携わる。

http://www.shibajimu.biz/

“空間の魅力”はブランドの個性を打ち出す大きなポイント

昨今は、利便性の高い商業施設や質の高い飲食店など、時間やお金を消費することができる選択肢が数多く存在する時代です。そして、どこのお店も一様にレベルが高くなってきており、お客さまに支持され続けるブランドであり続けることが困難な時代になってきたと思います。
私がブランディングに関わらせていただく際に重視するポイントは、「お客さまに選ばれる“勝てるブランド”、また“長く続くブランド”となるために強い個性を持っているか?」ということ。そして「高い市場競争力を持っているか?」ということ。そんな中で、“空間の魅力”はブランドの独自の個性を打ち出す上で大きなポイントになります。
私はブランドプロデューサーとして、ブランドとマッチした空間となっているか、外してはいけないポイントが押さえられているかをチェックする役目です。その観点でいうと、床は“こだわるべき”ポイントの一つだと思います。床は面積が広いので、見る人の印象を大きく変えますし、靴を履いていても、なんとなく踏み心地の良さ・悪さを感じるものです。例えば、「海外の一流ホテルのような」世界観を打ちだしたいお店だとしたら、やっぱり床にはこだわらなければいけません。安物だと、一般のお客様でもチープな印象を感じるものですし、プロはお店の格を判断する上で床を一つの基準として考えるようになっています。床は空間におけるとても重要なポイントなのではないでしょうか。

東京會舘_Sweets & Gifts
東京會舘「Sweets & Gifts」プロデュース
ソフトバンクロボティクス株式会社_Pepper PARLOR
ソフトバンクロボティクス株式会社「Pepper PARLOR」プロデュース

どうしても床が気に入らなくて、建て替えを決めたんです

そもそも、私が床にこだわりはじめたのは一回建てた自宅の床がとにかく気に入らなかったことから始まります。キッチン、バスなんかはショールームに何度も足を運んで細かいところまでこだわって決めたのに、床材は、薦められるがままにちいさなサンプルで決めてしまったんです。実際、家に敷いて大きな面積でみると、想像していたイメージとかけ離れていて、お気に入りの家具を置いてもなんだか安っぽく見えてしまって、寝転がった感触も嘘ものっぽくて…。毎日肌で触れるものだから、やはり分かりますよね。そして、「床を貼りかえたい!」と思った時に知ったんですが、床は家の土台になるので、一旦貼ると簡単に貼りかえられないんです。
だから、実は思い切って家を建て替えてしまいました。それくらい、床は私にとって、住まいの格を決める大きなポイントです。新しい家の床は、感触、厚み、デザイン、幅など、とことんこだわり抜きましたので、満足しています。ただ、床であんなに雰囲気が変わるなんて、仕事の上でも、一消費者としても、大きな発見でしたね。

柴田陽子さん色紙

柴田陽子さんの“床の記憶”

子供の頃、私が育ったのは海から近い、葉山の一軒家でした。そのリビングには、ワインレッド色の絨毯が大面積で敷いてあって、幼い私の中ではそれがとっても自慢だったんです。色もかっこいいし、素足に触れる感触もここちよくて。
こうして思い出してみると、体に触れるものは、記憶の中で強烈な印象に残っているものなんですね。だから、ものを選ぶとき、例えば子供が触れる機会の多いものに関しては、選んだ理由をきちっと持って、良いものを心して選ぼうと思います。

柴田陽子さん子供時代
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