住まいのコーディネートはフローリングで始まる
住まいの中で壁や天井のように広い面積を占めているフローリングは、空間イメージを決定づける大きな要素のひとつです。床に使う素材の素材感やデザインによって、住空間の印象が大きく変わりますので、住まいをコーディネートする際、フローリングは一番初めに仕様を決めることが多いといわれています。ここではフローリングのデザインについて見てみましょう。
木質フローリングのデザインは、大きく次の2つに分類できます。
①フローリング材そのものの表面化粧で表現されるデザイン
②フローリングの張り方(施工)で表現されるデザイン
そのなかの代表的なものをご紹介します。
こんなにある!フローリングのデザインバリエーション
乱張り(乱尺張り)
フローリング材の長さの違うものを組み合わせて張る方法。最も一般的な張り方。
りゃんこ張り(千鳥張り)
同じ寸法のフローリング材を、一定にずらして張る方法。半分だけでなく、尺でずらす場合もある。りゃんこ(両個)は2個の意。
すだれ張り
同じ長さのフローリング材を、巾方向の接合面を揃えて張る方法。天井の張り方にも見られる。
朝鮮張り
朝鮮半島の古い民家の板貼り床によく見られる。特に韓国は松など曲がった木が多く、直線的な材が取れなかったため短尺材を組み合わせている。
斜め張り
壁に対して斜めに張る方法。壁面でも見られる張り方。
寄木張り(よせぎばり)
ヘリンボーン
ニシンの背骨の形に似ていることからヘリンボーンと呼ばれる。日本では杉綾模様、矢羽型ともいう。
市松張り
正方形を交互に配した張り方。市松とは、江戸時代の歌舞伎役者、初代佐野川市松がこの模様の袴をはいていたことに由来する。
その他のデザイン
ロアンヌ
グラスゴー
リヒテン
オデッサ
イギリスの床のデザインバリエーション
床の周辺に床材を額縁状にまわすのは、意匠的な意味合いとともに扉枠や暖炉廻りの壁面の凹凸を額縁部分で吸収するためである。
天然木の表情がデザインに!?
ヨーロッパでは、さまざまなデザインの木質フローリングが数多く見られます。日本では、明治時代の西洋文化が流入してきた頃に建てられた洋館に「寄木張り」が多く見られましたが、もともと日本人は歴史的、文化的に見てもシンプルなデザインを好むといわれており、事実、床に関しては、かつては「えんこう板」、現在では「乱尺フローリング」という直進性が強調されるシンプルなデザインが、主流となっています。
そのような中、最近のインテリアトレンドでは、あえて木目や節をデザインとして採り入れ天然木の表情を活かしたものや、自然な立体感を残したもの、幅の違うものをランダムに組み合わせたものも登場。
サイズや元々のデザインだけでなくフローリングの節の多さや木目を生かしたカラーなどバリエーションはますます増えていきます。