ホテルにおける床素材の選び方|客室・廊下・ロビー別の“フローリングで失敗しない条件”とは | フローリング総合研究所
2026年5月29日 最終更新

ホテルにおける床素材の選び方|客室・廊下・ロビー別の“フローリングで失敗しない条件”とは

 

 

近年、衛生に対する意識の高まりやデザインの多様化を背景に、ホテルでもカーペットに代わって「木質フローリング」を採用する施設が増えてきました。様々な床材が進化を続ける中、木質フローリングが選ばれているのはなぜでしょうか。

ホテルにおける床材選びは宿泊客の満足度だけでなく、その後の運営効率までも左右する重要なポイントです。本記事では、長期的な施設運営を見据えた床計画の考え方と、ホテル向けフローリング選定のポイントを建築士の視点から解説し、併せてシビアな条件をクリアするおすすめの床材もご紹介します。

1.ホテルに求められる床の基本条件とは

A red Japan passport resting on a blue suitcase with a straw hat and sunglasses nearby on a wooden floor.

ホテルにおける床選びの条件はかなりシビアです。不特定多数の利用や過酷な清掃環境に耐えうる性能が求められるうえ、長期にわたる施設運営の中で美観を損なわず、良好なコンディションを維持し続けることが必要だからです。そんな床材選びで判断の鍵となる重要なポイントを整理します。

1-1.防音(足音・キャリー音・上下階の配慮)

ホテルの快適性を語るうえで「音」の配慮は欠かせません。特に静寂が求められる深夜や早朝の時間帯においては、上階や隣室から伝わってくる音が、宿泊客の満足度を左右する大きな要因となります。

繊維が衝撃を吸収するカーペットは遮音性に優れた素材ですが、近年は衛生面や意匠性からフローリング化のニーズが高まっています。そこで重要となるのが、防音性能に優れた製品の選択です。現在は特殊緩衝材により衝撃音を高度に抑制できるフローリングも登場しており、下地を含めた緻密な設計を行うことで、静謐な滞在環境を実現できます。

1-2.清掃性(汚れの落ちやすさ・水拭き・臭い対策)

深刻な人手不足が進む現代のホテル業界で、清掃効率の向上は経営上の重要なテーマです。従来の主流でもあったカーペットの床は、飲みこぼしによるシミなどの「汚れの落としにくさ」と、蓄積した汚れから発生する「臭い」の除去が大きな課題となっていました。
汚れが染み込みにくく表面をサッと拭き取れる素材なら、臭いの原因を物理的に取り除くことができます。水拭きによる日常的なメンテナンスを可能にする床材を選ぶことは、清掃時間を大幅に短縮して清潔な空間の維持に極めて有効です。

1-3.耐久性とメンテナンス性(摩耗・傷・部分補修)

ホテルの床には多くの人が歩いたり、キャリーケースを引きずったりして、常に負荷がかかっています。表面の耐久性が不足していると、短期間で美観を損なうだけでなく、傷ついた部分に汚れが蓄積し、衛生面の低下を招くおそれもあります。日々の清掃で清潔感を容易に維持でき、なおかつ劣化のリスクも抑えられる素材選びが、清潔な室内環境の維持に貢献します。

2.場所別でどういった床が適切か

宿泊施設でフローリングを採用した空間
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ホテルでは宿泊客の動作や滞在目的がエリアごとに異なるため、床材に求められる機能は多岐にわたります。それぞれの空間の役割や利用シーンをどのように整理し、その特性に合わせた「適材適所」の床材選びができるのか、さらには施設の快適性と運営効率を両立させるポイントを解説します。

2-1.客室:足音/カーペットと比較した清掃のしやすさ/高級感

客室はゲストが靴を脱いで寛ぐこともある最もプライベートな空間です。ここでは階下への音漏れを防ぐ防音性能に加え、素足やスリッパで触れた際の心地良い質感も重要です。
そして、こうしたニーズに応えるのが木質フローリングです。天然木ならではの温かみや自然な風合いは、無機質になりがちな空間に安らぎを与え、上質な居心地を演出してくれます。また、木質フローリングはカーペットに比べて清掃性が高く、ホコリやアレルゲンを溜め込みにくい特性を持っています。このような衛生面でのメリットも、ゲストに安心感を与えるでしょう。
木の優しさと清潔感を両立させることができるフローリングは、現代のホテルが求める「本質的な高級感」を実現する最適な選択といえます。

2-2.廊下:キャリー・台車の通行を前提とした“傷・摩耗”への耐久性

廊下はキャリーケースや清掃用カートが頻繁に行き交う、ホテル内で最も負荷がかかるエリアです。従来はカーペットが一般的でしたが、近年では、キャリーケースの走行にも耐える高い耐久性を備えたフローリングも開発されています。優れた耐摩耗性は床材の更新頻度を低減させ、意匠性を保ちつつ長期的なメンテナンス負担を抑制できることから、デザイン性を重視する施設において有力な選択肢となっています。

2-3.ロビー/フロント/レストラン:第一印象を決定づける意匠/汚れを想定した清掃性/人の滞留や什器移動に対する強度や耐久性

ロビーやフロントはホテルの第一印象を決める「顔」であり、高いデザイン性が求められます。同時に、外部からの泥汚れや重い什器の移動に耐えうる強度と清掃性も不可欠です。最近では、「重歩行や泥汚れに強い石材」と「温かみのある質感と高い耐傷性を兼ね備えたフローリング」を、動線や滞留エリアに応じて巧みに組み合わせる手法も増えています。

また、レストランにおいては、食べこぼしによる汚れを効率よく除去できる清掃性や衛生性に加え、什器の移動や椅子の出し入れによる傷を防ぐ耐傷性、水や油による転倒を防ぐ防滑性も求められます。

3.おすすめは朝日ウッドテックの「宿泊施設向けフローリング」

宿泊施設向けフローリング
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宿泊施設に求められる「上質な静寂」「高度な衛生管理」「過酷な使用に耐える強さ」。こうしたシビアな条件を高い次元で満たすのが、朝日ウッドテックの宿泊施設向けフローリング「メッセージホテル」です。
単なる「床材」の枠を超え、ホテルの資産価値と運営効率を支える「戦略的な設備」として、本製品がもたらすメリットを4つの視点から紹介します。

3-1.メリット①防音直貼りで「軽量床衝撃音(足音・物を落とした音など)」を抑え、客室の静寂を守れる

本製品は裏面に特殊緩衝材を直貼りすることにより、軽量床衝撃音の遮音性能 LL(I)-4(LL-45)をクリアしています。これは、階下において「物音はかすかに聞こえるが、意識しなければ気にならない」という遮音レベルで、多くのホテルや集合住宅で推奨されている信頼性の高い数値です。スリッパでの歩行音や小物を落とした際の鋭い音を効果的に吸収して階下の静穏環境を確保します。

3-2.メリット②:シミ汚れが拭き取りやすくニオイを防ぎ、清潔感を保ちやすい

本製品の表面には独自の塗装が施されており、コーヒーなどの飲みこぼしや皮脂汚れが染み込むのを防ぎます。また、木質床でありながら日常的な水拭き清掃や次亜塩素酸ナトリウムによる消毒作業にも対応しています。カーペットと比較して汚れや湿気が蓄積しにくいため、雑菌の繁殖やダニ・トコジラミの発生リスクを物理的に抑制でき、徹底された衛生管理を視覚的に伝えます。

3-3.メリット③:カーペットからの改修でも厚みを合わせられる薄型設計

最近は「カーペットからフローリングへの変更」がトレンドですが、床材の厚み変化による段差やドア下の調整が課題となっています。本製品は厚み13.2mmという薄型設計を実現しました。これは一般的なカーペットとアンダーレイ(クッション材)の合計に近いため、既存の下地を活かしたスムーズな改修工事が可能です。

3-4.メリット④:過酷なキャスター走行に耐える圧倒的な耐久性

本製品は重荷重をかけたキャスターを、65,000回往復させるという独自の厳しい試験において、表面の割れや剥がれが起きにくい強靭な耐久性を実証しており、キャリーケースによる傷を最小限に抑え、開業時の美しさを長期にわたって保つことが可能です。さらには耐水性能にも優れているため、水濡れによるトラブルも未然に防ぎます。

3-5.メリット⑤:抗ウイルス・抗菌性能で、客室の衛生レベルを向上

不特定多数が利用するホテルにおいて、目に見えないウイルスや菌への対策は不可欠です。本製品は標準仕様で抗ウイルス・抗菌性能を備えており、床に付着した特定のウイルスの数を減少させ、細菌の増殖を抑制します。清掃の負担を増やすことなく、宿泊客に安心感を与える清潔な空間を維持できます。

4.まとめ ホテルの床選びは“防音・清掃性・耐久”が決め手―宿泊施設向けフローリングがおすすめ

ホテルの床材には意匠性に加えて防音・清掃・耐久性などの運営に直結する機能と両立することが求められます。静かな環境やメンテナンスのしやすさを整えることは、顧客満足の向上と管理コストを抑制するうえでも不可欠です。
また、エリアごとの役割に応じた最適な床材を見極めることは、施設の価値を長く保つための要ともなります。木の風合いと高度な実用性を兼ね備えた宿泊施設向けフローリングは、これからのホテルづくりを支える有力な選択肢となるでしょう。

宿泊施設向け土足用防音フローリング「メッセージホテル」の詳細・施工事例はこちら
https://www.woodtec.co.jp/products/lineup/flooring/public/message-hotel/

▶︎土足施設向けフローリング「メッセージハード」の詳細・施工事例はこちらhttps://www.woodtec.co.jp/products/lineup/flooring/public/message-hard/

記事監修:辻 久(つじ ひさし)

一級建築士。INA新建築研究所を経て独立し、建築設計due代表を務める。現在まで20年以上、一級建築士事務所を運営し、住宅、店舗、集合住宅、医療福祉施設など多数の設計監理実績がある。

https://due2002.com/

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ホテルの床素材選びで失敗しないために、客室・廊下・ロビーなどフロア別に求められる条件(防音・清掃性・耐久)を整理し、ホテル向けフローリングの選定ポイントを解説します。キャリー音や足音、汚れ、傷、部分改修の進め方までまとめ、最適な床仕様の検討に役立つ内容です。