オーク|樹種物語 | フローリング総合研究所
Oak
2018.07.04
texture:オーク
map:オーク
名称:
オーク
分類:
温帯広葉樹・ブナ科
産地:
北アメリカ、ヨーロッパなど

オークはブナ科に分類され、オークに含まれるものだけでも数百以上あるといわれている。その中でもヨーロピアンオークと呼ばれるオークが代表格です。大きなものでも25mから最大40mに達するものあり、秋には私 たちにも馴染みのあるドングリをつけます。 ヨーロピアンオークでは現在樹齢1500年のものが確認されています。

天然木ならではの趣を与えるキャラクター

  • ノット・ピンノット

  • バークポケット

  • 虎斑(とらふ)

  • ミネラルストリーク

  • 多彩な木目

エリザベス女王の艦隊

1588年、「無敵艦隊」と呼ばれていたスペイン海軍がエリザベス一世の率いるイングランド艦隊によって壊滅させられたアルマダの海戦。この勝利をきっかけに、大西洋の覇権はイングランドが握ることになります。当時はまだ鉄と石油を基礎とした造船技術が確立されておらず、海上を行き来していた船のほとんどがオークで作られていました。中世のヨーロッパ人がアフリカやアジア、そしてアメリカ大陸へと進出した「大航海時代」は、オーク材なくしては語れないのです。

ウィスキー

ウィスキーの樽材としてよく用いられるオーク。そのなかでも、最も有名なのがホワイトオークです。重厚 かつ強靭なホワイトオークの導管孔内には「チロース」と呼ばれる繊維構造があり、醸造樽として使っても 液漏れすることがありません。
一方、適度な硬さで加工しやすいレッドオークは、ホワイトオークよりもやや成長が早いため、木目が粗く樽 材にすると水漏れしてしまいます。同じ樹種でも違う性格。まるで人間の兄弟のようで、自然の面白さを感じます。

フランク・ロイド・ライト

ル・コルビジェ、ミース・ファン・デル・ローエと並び、近代の世界三大建築家のひとりに数えられるフランク・ロイド・ライト。彼はオーク特有の虎斑に魅せられ、家具や内装のあしらいに数多く用いたことでよく知られています。
虎斑は個性が強すぎることから、建築家やデザイナーはあまり使いたがりません。しかしライトは木取りの段階から関わるほど虎斑に執心し、その斑紋を生かした見事な造形を建築空間や家具において展開しました。

虎斑(とらふ)

オークをはじめとするブナ科の木材には、柾目面に「虎斑」と呼ばれる横縞の斑紋が現れることがあります。放射組織が作るなめらかな模様は、その名の通りトラの被毛のよう。虎斑の材を手に入れるためには木取りが重要で、不良品が出やすい面倒な行程を経なければなりません。そのため希少価値が高く、美しい斑と巡り会うことは至上の喜びとなるのです。

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