バーチ|樹種物語 | フローリング総合研究所
Birch
2019.08.21
texture:バーチ
map:バーチ
名称:
バーチ
分類:
温帯広葉樹・カバノキ科
産地:
北アメリカ

バーチはカバノキ科に分類され、樹高12m程まで成長する。欧州原産のものはヨーロピアンバーチとよばれ、北米産のものはイエローバーチとよばれています。欧米では食糧難の際、樹皮を粉砕した上で、穀物と一緒にパンの材料として使われた歴史もあり、様々な用途で使われてきました。

天然木ならではの趣を与えるキャラクター

  • ノット・ピンノット

  • 照りの表情

  • フェイルズ・ハートウッド

  • ハートウッド

  • ミネラルストリーク

森の白い貴婦人

カバノキに属する木は、約40 種類あると言われています。 中でも北部に育つカバノキは、純白の樹皮に覆われたものがほとんど。美しいことに加えて痩せた土地でもよく育つため、ヨーロッパでは街路樹としてよく植えられています。 「シルバーバーチ」とも呼ばれるその樹皮は、森のなかでもよく目立つのでしょう。ロマン主義の先駆けとなったイギリスの詩人・コールリッジは、『絵または恋人の決心』という詩において枝を垂れたカバノキのことを「森の木々より抜きんでた、森林の貴婦人よ」と表現しています。また、民間伝承によると、カバノキの妖精は流れるような髪をもつたおやかな娘の姿をしているそうです。

アルヴァ・アアルト

1933年、フィンランドの都市・パイミオに新しいサナトリウム(結核患者の療養所)が誕生しました。手がけたのは、20世紀を代表する建築家のアルヴァ・アアルト。建物だけでなく、家具や照明、扉の取っ手に至るまで彼自身がデザインしています。
アアルトは最初、家具の用材として当時一般的だったクロームメッキスチールを考えていました。しかし、そこで過ごす患者たちの気持ちを考えて、あたたかみのある木を使うことにしたそうです。そのときに着目したのが、フィンランドに多く自生するバーチ。

アアルトはバーチを使った積層合板と曲げ木の技術を開発し、優美な曲線を描きながらも頑丈な家具を完成させました。なかでも有名なのが、「41 アームチェア パイミオ」。カーブさせた合板がシートになっていて、クッションなしでも快適な弾力があります。背もたれの角度は、結核患者が腰掛けたとき呼吸しやすいように計算されているのだそう。この椅子は「材料革命」と評され、アアルトの名を世界に知らしめる契機となりました。

バーチオイル

バーチの樹皮からは精油を採取することができます。その香りはやや刺激が強く、消毒殺菌剤のよう。ストレスを解消して心身をリラックスさせたり、心を元気にさせてくれたりする作用があります。主成分は、筋肉痛の軟膏や鎮痛剤のアスピリンなどに使われるサリチル酸。古くから消毒・殺菌力があると知られていて、うがい薬や薬用ワイン、スキンローションなどに使われてきました。

水を弾く木材

木で組み上げた船体にコルク質の厚い樹皮を貼って仕上げる「バーク・カヌー」。世界各地でスプルースやエルム、ユーカリなどの樹皮を使って作られています。なかでもカヌー作りに適しているのがバーチ。太平洋から大西洋にかけて帯状に広がる温帯・亜寒帯地域にはバーチが自生しているため、バーチ・バーク・カヌーが盛んに作られています。

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