アッシュ|樹種物語 | フローリング総合研究所
Ash
2019.10.07
texture:アッシュ
map:アッシュ
名称:
アッシュ
分類:
温帯広葉樹・モクセイ科
産地:
北アメリカ・北東アジア

北アメリカに生育するアッシュはホワイトアッシュと呼ばれており、樹高は18〜24mほどに育ちます。河川や渓谷に隣接した湿潤な土壌に他の広葉樹とともに生育します。水はけが良く斜面に自生することが多いのが特徴。葉の裏に白い粉がたくさん付いているため、ホワイトアッシュと呼ばれている。

天然木ならではの趣を与えるキャラクター

  • 横節

  • バークポケット

  • 材色の濃淡

斧・つるはし・ハンマー

 

生育した環境によって異なった特徴を見せるホワイトアッシュ。低地の川沿いなら、軽く柔らかに。高地であれば、成長が遅いため重く硬い木に成長します。後者のホワイトアッシュは硬いだけでなく、さまざまな樹種のなかでもとりわけ衝撃に強いという特性を持っているため、昔から斧やハンマー、ツルハシなどの柄に使われてきました。繊細で伸びやかな木目が家具や床材として人気を集めていますが、見かけによらずタフな樹木なのです。

魔女の箒

妖精というと花に囲まれた愛らしい姿を想像しがちですが、ヨーロッパの民間伝承には人をさらったりするタチの悪い妖精も登場します。そのため、妖精を寄せ付けないためのおまじないも語り伝えられてきました。イングランドではトネリコ、つまりアッシュで作った杖や十字架が、邪悪な妖精や魔女を撃退するといわれていたそうです。 しかしスコットランドでは正反対で、妖精はトネリコを含む低林に集まるといわれていたのだとか。また、魔女はトネリコの近くに住み、空飛ぶ箒の柄はトネリコでできていたと伝わる地域もあるようです。いずれにせよ、トネリコは精霊や魔法に結び付けられる神秘的な存在だったのでしょう。

バイキング

8世紀から11世紀にかけて、スカンジナビア半島を拠点にヨーロッパの海へ進出したバイキング。彼らが信仰していた北欧神話においてホワイトアッシュを含むトネリコ属の木は神聖なものとされており、神々の武器もトネリコでできているといいます。バイキングの歴史や習慣はすべて口承で伝えられたため、はっきりしたことはわかっていません。しかし一説によると、彼らの船やオール、武器の柄にはホワイトアッシュが使われていたそうです。

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