ハンドメイドギター

映画「ボヘミアン・ラプソディー」はクィーンのボーカリストであるフレディ・マーキュリーの伝記映画で第91回アカデミー賞で主演男優賞他4部門を受賞して注目を集めましたので多くの方がご覧になったと思います。映画ではフレディ・マーキュリー中心に物語が進んでいく為、ボーカル・コーラスの多重録音を駆使したレコーディグ風景等が詳細に紹介されていましたが、やはりクィーンのサウンドの魅力はエレクトリックギターを多重録音する事で音に厚みと深みを持たせたギター・オーケストレーションにあると言っても過言ではありません。そのクィーンでギターを担当しているのがブライアン・メイです。ブライアン・メイはクィーンとして活動するまでは大学で宇宙工学を学んだり中学校で教鞭を執っていたりと優れた頭脳を持っていたせいか、彼がほぼメインで使い続けたギターはエンジニアだった父親と一緒に16歳から2年の歳月を費やして自分自身で設計から制作迄を手掛けたギターで通称「レッドスペシャル」と呼ばれています。
唯一無二のギターサウンド

多くのギターリストやベーシストはプロミュージシャンも含めて楽器メーカーが製作した状態のものをそのまま使うのが大半です。エリック・クラプトンやジェフ・ベックの様に楽器メーカーがシグネチャーモデルとして提供するケースもありますが、「レッドスペシャル」は自身による完全ハンドメイドの為、このギターを使っているのは勿論ブライアンメイ本人だけです。(コピーモデルも販売されていますがプロミュージシャンで使っている人は皆無だと思われます。)正にクィーンのサウンドには欠かす事の出来ないブライアン・メイの分身の様な存在のギターです。
レッドスペシャルに使われている木材
ネック材にはホンジュラスマホガニー、指板には主流のメープル・ローズウッドでは無くホワイトオークが使われています。またボディーは一見するとソリッド構造(空洞無し)の様に見えますが実はセミホロウ構造(空洞有り)でホワイトオーク材を主体とし表面にはホンジュラスマホガニーで仕上げてあります。実はこれらの木材は100年以上前の暖炉に使われていたマホガニー材やビンテージ家具テーブルのホワイトオーク材が再利用されて使われています。あえて指板やボディ材に100年以上経過し乾燥しきったホワイトオーク材・ホンジュラスマホガニーの影響であの深みのある独特のサウンドに繋がっているのかもしれません。クイーン初期頃は「レッドスペシャル」の特徴を活かした独特のサウンドがシンセサイザーの音であると誤解される事があった為、アルバムのクレジットに「シンセサイザーは使われておりません」と書かれてあった事は有名な話です。今度、映画「ボヘミアン・ラプソディー」を観る機会があったら是非ギターにも注目して観て下さい。



