レスポール | フローリング総合研究所
2022.08.25

レスポール

サウンドの原点は素材の組み合わせ

3大ギタリストの一人、ジミーペイジ。レスポールと言えばこの人。(Wikipediaより)

レスポールモデルは、ギブソン社から1952年にジャズギタリストのレス・ポール氏のシグネーチャーモデル(※1)として登場し、何度かの仕様変更の後1958年にその仕様が完成されています。特に、1958-1960年に製造されたモデルは、3年間での生産が1700本とも言われており、その中でも質の良いものは、現在ではビンテージギターとして非常に高額(数千万以上とも言われています)で取引されています。

エレクトリックギターは、弦の振動をピックアップ(マイク)で電気信号に変え、アンプを通して演奏され、そのネックやボディは基本的には木材でつくられています。そのため、使われる木材によって音の性質も大きく異なってきます。

レスポール

レスポールは、ボディのバック材に約45mm厚のマホガニー、トップ材に約15mm厚のメープルという、2種類の木材を貼り合わせた独特の構造を持っています。この厚みバランスはサスティーン(音がよく伸びる)の持続量で決定され、さらにネックはマホガニー1ピース、指板はローズウッドが使われています。

トップ材のメープルが弦の振動を素早くボディに伝えサスティーンを稼ぎ、バック材のマホガニーで中低音の豊かな響きを生み出しているのです。すなわち、この組み合わせこそが、レスポール独特の太くて甘いサウンドの原点となっているのです。

※1 シグネーチャーモデル・・・特定の有名人の名を冠した製品。

まさに芸術、魅惑のフィギア

また、レスポールの魅力として欠かす事が出来ないのが、そのボディの美しさです。レスポールのボディのトップ材として使われているメープルにはフィギア、もしくは杢と呼ばれる様々な美しい文様が発生しているものがあります。代表的なフィギアとしては、トラ目・カーリー・バーズアイ・キルトといったものがあります。このように美しい杢のメープルはフィギアドメープルと呼ばれ、その美しさによってA(エー)からAAAAA(ファイブエー)に分類されていて、Aの数が多いほど高グレードとなります。
レスポールは1952年の発売開始から1957年頃まで、ゴールドトップと呼ばれる金色のメタリック塗装が施されていましたが、1958年からサンバースト塗装と呼ばれているシースルーフィニッシュを施す事でフィギアドメープルがより美しく浮き出して見えるようになっています。

まさに芸術品であり、世界中の愛好家達の憧れとなっているレスポールは、ロックに限らずジャズ等の様々なコンサートでも演奏されています。機会があれば、レスポールの音色だけでなく、ぜひ杢目の美しさにも注目してご覧ください。

  • フィギアドメープル【トラ目】
  • フィギアドメープル【バーズアイ】
  • フィギアドメープル【キルト(玉杢)】
  • ゴールドトップ
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