2020.12.03

ダブルネック

1台で2役

ダブルネックギター

基本的にギターの弦は6本ですが、倍の12本の弦があるギターも存在し通常12弦ギターと呼ばれています。12弦ギターの魅力は何と言っても弦の本数が2倍になる事で得られる豊かな響きです。特にコードを弾いて音に広がり出す事には非常に適しています。逆に単音で弾くリードギター等は6弦ギターの方が適しています。すなわち12弦ギター・6弦ギターを上手く曲のパートによって弾き分ける事が出来れば非常に繊細でダイナミックな演奏が可能になるのですが、曲の途中でギターを交換する事は非常に無理があります。そこで1962年にアメリカのギブソン社から発売されたのが写真の「ED1275」です。通称ダブルネックと呼ばれ、その名の通り1つのボティーに12弦と6弦のネックをセットしたタイプとなっています。

ダブルネックに使われている木材

12弦ギターは6弦ギターに比べてどうしてもテンション(弦の張力)が強くなってしまうのでネック材には非常に硬く狂いも少ないハードメープル。指板には比較的柔らかく温かい響きを持ったブラジリアンローズウッド。そしてボティーには豊かな中低音が特徴のホンジュラスマホガニー(南米ホンジェラス共和国、並びにその周辺国で採れるマホガニー)が使われています。これらの3樹種の組み合わせによって生み出される暖か味のある甘いトーンがダブルネックの特徴となっています。しかしブラジリアンローズウッド・ホンジュラスマホガニーはワシントン条約で取引が制限されている為に現在では非常に入手が困難な状況にあります。入門用の低価格ギターはホンジュラスマホガニーの代わりにアフリカ産のマホガニーを使っている場合もありますが、やはりホンジュラスマホガニーの様な音色は期待出来ないのが実情です。

ジミーペイジ(レッドツエッペリン)・ドンフェルダー(イーグルス)の愛器

天国への階段でタブルネックを弾く レッドツェッペリン ジミーペイジ
天国への階段でタブルネックを弾く レッドツェッペリン ジミーペイジ(Wikipedia より)

このダブルネックの能力を十分に引き出したロックの歴史的名曲が2曲あります。レッドツェッペリンの「天国への階段」とイーグルスの「ホテルカルフォルニア」です。2曲とも導入部は12弦ギターを使った美しいイントロから始まり、曲の後半は6弦ギターによる激しいギターソロが繰り広げられる非常に幻想的でダイナミックな曲調となっています。2曲とも発表されてから既に40年以上経っていますが、いまだに世界中の人達に支持され続けている名曲です。共にYouTube等でライブ映像を見る事が可能ですので一度是非ご覧になってみて下さい。

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