2021.09.14
経年変化日焼け紫外線

木材の経年変化

 

天然木は、革製品等と同じく、時を経るごとに美しくなる「経年美」の魅力を持ちます。家具や住宅の内装など、長く使うことも多い木製品。今回は、木の種類による経年変化の違いやその仕組みなど、天然木の経年美についてご紹介します。

経年によって深みのある「色合い」へ

天然木の経年変化と言えば、日焼けによる「色合い」の変化がもっとも大きな特徴でしょう。木製家具を例に取ってみると、経年によって飴色に変化したヴィンテージ家具などは新品にない風格を感じますよね。

木材はセルロース・ヘミセルロース・リグニンの3種類で大部分が構成されています。しかし、木の色は木材中のごく僅かな成分である、ポリフェノールやアミノ酸・ステロイドなどの「抽出成分」によって決まります。リグニンも一部関係しますが、ほとんどはこの抽出成分が光を吸収し分解されることで、色合いが変化しています。

木材中の成分

色合いの変化の仕方は樹種によってさまざまで、濃くなるものもあれば淡くなるものもあります。さらに、同じ樹種でも部位によって変化の仕方が異なるなど、様々な色合いに変化していきます。

経年による色合いの変化

では、具体的にどのように色合いが変わるのでしょうか?実際のフローリングの写真でご紹介します。

経年変化

まずは、経年によって色が濃くなっていく樹種、ブラックチェリーです。ブラックチェリーは色の変化が大きいことで知られていて、淡い桃色から飴色へ、深みを増していく色変化が人気の理由の1つです。
次は、逆に経年によって色が淡くなっていく樹種、ブラックウォルナットです。時間とともに柔らかく、落ち着いた印象へ変化していきます。

  • ブラックウォルナットのフローリング:経年変化前
  • ブラックウォルナットのフローリング:経年変化後

上記2枚の写真は経年変化前と変化後を比較したものです。左は施工当時の写真、右は数年経過したブラックウォルナットのフローリングです。自然光や照明によって色味が変化し、空間の印象も違って見えるのが分かると思います。
一般的に人工素材は経年により美しくならずに劣化すると言われています。一方、天然素材である木はもともと生きていた素材なので、人とは相性の良い、親和性の高い素材です。また経年によって美しくなっていく天然木で作られたものには、より「愛着」を感じることができるのではないでしょうか。

木の色を変化させる光とは?

光は大きく紫外線・可視光線・赤外線に分けられます。一般的に、濃色化するのは紫外線の影響が強く、淡色化は可視光線の影響が強いと言われる場合もあります。ただ、原因となる抽出成分は同じ樹種でも個体差が大きく、まだまだ明確な仕組みはわかっていないそうです。

木は、家具や住宅の内装など、長く使う製品に使われることも多いです。暮らしの中で少しずつ色合いに落ち着きと深みが増し、独特の風合いを醸し出していくのは、天然木ならでは魅力。10年、20年と「一緒に歳をとっていく愉しみを味わえる」天然木を、ぜひ暮らしの中に取り入れてみてくださいね。

  • ブラックチェリーのフローリング:経年変化前
  • ブラックチェリーのフローリング:経年変化後
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