11

おばあちゃんの家の無垢広縁にある10円玉2個分の大きな穴、これは幼い頃、私の手により節穴をこじ開けたものだ。

そこから見る景色と匂いが大好きだった。

杉板の香りと床下の香りが床下の冷たい風に乗っかり心地よい。

今でも何かの拍子で匂いとともに記憶がよみがえってくる。

その床下を根城とする紀州犬の「コーキ」。私の一番の遊び相手だ。

大きな床の穴から突然にょきっと舌が出てくる。

...なぜかと言うと寝っ転がり、音で興味をひき、餌をあげていたからだ。

でも実は私が遊ばれていたと気づくのにはあまり時間はかからなかった。

フルベッキ復之

12

小学校のときに家を新築し、
あまりのうれしさに自分の部屋の床に家の全容を彫刻等で彫ってしまったけど、
それがいまだに残っており、
いい思い出になっている。

生馬 大誉

13

友人宅のふわふわのカーペットにお刺身のお醤油をざーっとこぼしてしまったことは、いまだに夢に出てきます。

色はピンク、かなり高級なウールのカーペットだったと思います。

14

父の転勤で、小学校卒業までに8回引越しをした。

社宅から社宅。

引越しは全て父の職場の人が手伝ってくれた。

新しく引っ越すと畳替えはしてあるが、ダイニングの床は前のまま。

いつも雑巾がけをしてみるがなんか褪せていた。

毎日毎日雑巾がけをしていた。

小さい頃はいつも床に触れていたと思う!

アルル

15

階段2〜3段目からジャンプしてよく遊んでいた。

弟と距離を競っていたが、ほぼ互角だったと記憶している。

着地点がいつも同じところだったためか、廊下の床に大穴を開け親父にげんこつをくらった。

おばあちゃんは優しく頭を撫でてくれた。

鈴木 裕輔

Prev

3 / 4

Next

床は大事

床は、住まいとともにあります。
そして、かけがえのない暮らしの時間とともにあります。
夏休み、広い広いおばあちゃんの家で走り回った、木の床の感触。
夜中、軋む廊下を恐る恐る歩いた時の心細いきもち。
涙を抑えるために、うつむいて床の模様を
ぼんやりと数えていた時のこと。
娘が生まれて初めてその足で床を踏みしめたときの、よろこび。
床の記憶を脳裏に描くとき、
その足の裏の感触が、ふとしたときの光景が、
交わした会話が、ともに過ごした人のことが、
胸に迫って、思い出されてきませんか。
百年もの間、床に向き合い続けてきた、私たちが今、伝えたいこと。
床は、かけがえのない記憶を生み出す、大事なものだということ。
皆さまの中の床の記憶を辿りながら、
本サイトをご覧いただければ幸いです。

もどる

Copyright(C)ASAHI WOODTEC CORPORATION All Rights Reserved.