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朝日ウッドテックで「働く」ということ

これからの開発とは
木の持つ力を、いかに目覚めさせるか。

日本の床を変えていく。

芳ヶ迫 隆司

専務取締役商品部長 兼生産本部管掌

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樹木の持つ力を
目覚めさせる技術

  • 木目・色合いを際立たせる「木味活性化処理」

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樹木の持つ力を
目覚めさせる技術

銘木の大衆化を掲げて銘木商からメーカーに転身した朝日ウッドテックは、1950年代から数々の業界初の商品を世の中に送り出しています。素材に敬意を払い、素材の力を最大限に引き出すという考えのもと、銘木を化粧材とした品質の高い木の床の価値を広めてきた歴史です。

1950年〜70年には独自のヒビワレ防止技術やカラーフロアへの着色塗装技術等を開発、1980年代〜90年代にはマンションのコンクリート面へ直貼りする木質防音床や、傷に強い塗装面耐傷技術等を確立。いずれも業界初となる技術革新でした。さらにカラーフロアの色数は約2000色にもなり、木質フロアーの先駆的存在に成長していきました。そして2000年代に入り、それらの技術力が結集し、木の味わいを楽しむ「ライブナチュラル」という新ブランドが生まれます。

「ライブナチュラル」にもまた、業界初となる技術革新があります。樹木が持つ資質を引き出し、天然木の美しさに磨きをかける技術の名前は「木味(きあじ)活性化処理」。その特徴を開発トップの芳ヶ迫隆司にうかがいました。

「全てをお話しすることはできませんが、たとえば木に熱をかけてコントラストを高めて、木目の色を生き生きと鮮やかなものにします。自然の素材感を失わずに、手を入れていない木よりも美しく魅せる、木の味を活性化する技術です。」

さらに2012年に発売した「ライブナチュラル・プレミアム」では、木そのものの感触とメンテナンス性を両立し、ナチュラルマット塗装技術により煩わしいワックスがけが必要ないワックスフリーを実現しています。

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天然木フローリングとして
初のグッドデザイン賞

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天然木フローリングとして
初のグッドデザイン賞

芳ヶ迫は、朝日ウッドテックの強さを次のように考えています。

① 化粧材の調達力(天然銘木を調達する力、世界中から良い木を選ぶ鑑識眼)
② 天然銘木の素材を製品に仕上げていける設計という意味での技術力。
③ 安定的に日々つくっていける力。
④お客様に導入する力。

つまり、専門メーカーとしての総合力が優位性というわけです。一体どういうことでしょうか。

まず、新商品をつくろうという発想があり、コンセプトができます。それにプラスして、実際にアイデアを実現していくには研究力も設計力も分析力もあってこそ。出荷には10万坪分の床を安定品質で大量に生産する力も必要です。それは急にできるものではなく、65年以上の積み重ねから可能になったもの。「ライブナチュラル」や「ライブナチュラル・プレミアム」が誕生したのは、高級住宅に必須なガス会社の認定を受けた床暖房対応の技術や、耐傷性技術から生まれた硬質パワーシートの技術の上に、木味の美しさを乗せることができたからなのです。その結果、天然木フローリングとして初のグッドデザイン賞を受賞し、ブランド価値を確立することにつながっています。

「商品開発はある意味追い込まれた期限と目標のなかで、試作し実験し日々ねばりづよく、根気よくやる力に尽きます。それは、労働時間を長くやるという意味ではなく、企業のトップを含めみんなが一緒になってずっと考えているということです。営業にしても、新商品をテストする物件をいち早くとってくるなど、導入する力があります。組織全体でつくっているんですよ。」

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素足に触れる、触れ心地の技術は
世界トップレベル

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素足に触れる、触れ心地の技術は
世界トップレベル

開発には2つあります。1つは、防音などこれまでの課題を解決する開発。もう1つは木味活性のように新しい価値を提示する開発です。後者の肝は人の感性に響くものにできるかどうか。繊細な日本育ちの技術が開発の強みになります。

「世界レベルで見ても天然銘木の外観の美しさは評価を受けています。ときどきヨーロッパから見学に来られますが、塗装の触感や溝の滑らかな仕上げ技術だとかは非常に驚かれますね。ヨーロッパは基本的に靴の文化ですから、素足で触れることがない分、そこの技術はまだ追求されていない技術になるんです。」

そんな開発のヒントは、いたるところに発見できます。レストランに入っても商業ビルに入っても、まず床が気になるのはいつものことです。

「木造校舎や寺社など古い建物の床が、足ですり減って凹凸になっている、年輪のところだけが残っているのを見たことがありませんか。杢出し(もくだし)加工といってブラシで磨いて硬いところを残す凹凸加工があるのですが、それが自然の生活のなかでも足裏の摩耗で起こるんです。使い込んでいるなかでも美しさを持っている。そうした観察も勉強になりますね。」

長年開発に関わってきた部長に、学生に向けた一言をとたずねるとこんな言葉で期待を表してくれました。

「開発に携わるのなら、気概をもって入ってほしい。開発ができれば住宅に使われて日本中の床に残っていきます。世の中にいくつ残していけるか?それが開発者の実力ですから。」

もしかすると、あなたが日本の床を変えることになるのかも知れませんね。

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