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COLUMN #72

犬が後ろ足を伸ばすのはパテラのサイン?つま先立ちとの違いと見分け方

動物医療技術師 石川 美代子

皆さんは愛犬の歩き方や日常の動作をどれくらい注意深く観察していますか。
ちょこんとしたつま先立ちや、後ろ足をピーンと伸ばす仕草は一見するととても可愛らしく、微笑ましいものです。しかし、その何気ない動作の裏に、病気のサインが隠れていることもあります。

特にトイプードル、チワワ、ポメラニアンなどの小型犬に多くみられる「パテラ(膝蓋骨脱臼)」は、進行すると歩行困難を引き起こすこともある病気です。早期に気づき、適切な対応を取ることが愛犬の生活の質を守るうえで非常に重要になります。

本記事では、犬がつま先立ちをしたり後ろ足を伸ばす理由を丁寧に解説するとともに、パテラの基礎知識、症状の見分け方、治療法、そして日常生活でできる予防やケアについて詳しく紹介します。愛犬の健康を守るため、ぜひご覧ください。

1.犬が後ろ足を伸ばす・つま先立ちする動作の意味

つま先立ちする犬

犬の動作には、それぞれ理由があることが多いものです。後ろ足を伸ばす、つま先立ちをするという行動も、「正常な動き」である場合と、「注意が必要なサイン」である場合とに分けて考えることが大切です。

 

1-1.犬の正常な足の使い方

犬の体の構造や歩行スタイルは人間とは大きく異なります。たとえば犬は本来、「趾行性(しこうせい)」と呼ばれるつま先だけで地面を蹴る歩き方をする動物で、この歩き方は、獲物に気づかれないよう音を立てずに近づいたり、長距離を速く走ったりするのに適しています。

そのために後ろ足のかかとは地面につかず、足先で地面を蹴る構造になっています。ですから犬がつま先立ちで歩いていること自体は特に問題はなく、見た目だけで「つま先立ち=異常」と判断する必要はありません。

また、犬が後ろ足を伸ばす行動は、寝起きや運動前後、リラックスしているときにもよく見られるものです。これは人間でいうストレッチに近い動きで、筋肉をほぐし、関節の可動域を保つための自然な行動です。

 

1-2.こんな時は注意が必要

一方で、片足だけを不自然に伸ばす、伸ばしたまま固まるといった仕草が頻繁に見られる場合は、単なるストレッチではない可能性があります。さらに、注意すべきつま先立ちもあります。通常、犬の後ろ足のかかとはやや後ろに出ているものですが、脚全体が棒のようにまっすぐになっていることが多い場合は注意が必要です。

以下のような歩き方や状態が見られる場合は、体のどこかに違和感や痛みを抱えているのかもしれません。

・後ろ足をピーンと伸ばしたままにすることが多い
・同じ動作を何度も繰り返す
・体重を片足にかけない
・スキップするような歩き方をする

上記に加え、足や関節に痛みを抱えている犬は、片足を浮かせる、過度につま先立ちになる、または足をかばうように歩いたり、散歩を嫌がったりしがちです。高齢犬の場合、こうした歩行障害は加齢による筋力低下や関節のこわばりなどが原因となっていることが多いのですが、比較的若い犬でこれらの症状が見られる場合は病気の可能性を疑い、早めに動物病院を受診することが重要です。

2.パテラ(膝蓋骨脱臼)とは?犬の膝の病気の基礎知識

犬、特に小型犬の歩き方や足の状態に異常を感じたら、「パテラ」を発症している可能性が考えられるかもしれません。パテラとはどんな病気なのか、また、パテラが足の動きとどう関係があるのかを理解しておきましょう。

 

2-1.パテラの定義とメカニズム

膝蓋骨脱臼

パテラとは、膝の関節にある「膝蓋骨(しつがいこつ)」というお皿状の骨が脱臼してしまう病気です。英語では patella / patellar luxation と呼ばれ、特に小型犬に多く見られる整形外科疾患、関節疾患のひとつです。

膝蓋骨は、本来、太ももの骨とすねの骨の間にある溝にはまり、膝の曲げ伸ばしをスムーズに行うという役割を担っています。しかし膝蓋骨が外れてこの位置関係が崩れると、膝の動きに引っかかりが生じ、痛みや違和感が発生します。

 

2-2.なぜ犬は後ろ足を伸ばすの?

テリア犬

膝関節に違和感や痛みがあると、犬は無意識に関節を伸ばした状態を保とうとします。これは、膝を曲げることで生じる痛みを避けるための行動です。また、パテラを発症した犬は、正常な位置からずれてしまった膝蓋骨を自力で元の位置に戻そうとして、後ろ足を伸ばすという仕草をすることもあります。

その結果、パテラを発症した犬では、それまでとは違った歩き方や仕草が増えるケースが多くみられます。

3.パテラの症状チェックリスト(犬の行動で判断)

具体的に、以下のような行動が複数当てはまる場合、パテラの可能性があります。

【パテラの主な症状】
・足をかばうように歩く
・後ろ足を浮かせて3本足で歩く
・スキップ・ガニ股歩き
・座るときに足を投げ出す
・運動や散歩を嫌がる
・膝を触ると嫌がる

また、膝が「カクン」と音を立てたり、曲げ伸ばしの際に引っかかる感触がある場合も、早めに動物病院での診察が必要です。レントゲン検査によって、脱臼の有無や程度を正確に確認できます。

なお、パテラには先天性のものと後天性のものがあり、多くが先天性のパテラです。特に小型犬には生まれつき膝蓋骨が脱臼しやすい犬が多く、パテラ発症のリスクが高いとされています。日頃から歩き方をよく観察し、垂直方向へのジャンプもなるべくさせないように注意しましょう。

落下や転倒など、後天性のパテラを引き起こす事故については、以下の資料もご覧ください。

 
■小型犬と暮らす際のポイントやシニア期の注意点は、以下の記事でも紹介しています。
跳ね回るトイプードル!やがては老犬になる「元気な小型犬」の健康管理

<参考URL>
https:// xn--hhrx3xt0jt8h4kenrxmi6a.com/sick/dog/patella/

4.パテラの重症度(グレード分類)と治療方針

パテラは脱臼の状態によって、軽度から重度にまで分けられています。診断は獣医師による触診や歩行検査、レントゲン検査によって行われ、症状の度合いはグレード1~4に分類されます。

・グレード1~2(軽度)
日常生活への影響は少なく、体重管理、運動制限、サプリメントなどの内科的治療が中心となります。

・グレード3~4(重度)
膝蓋骨が頻繁に外れ、歩行に支障をきたすため、手術による治療が推奨されるケースが多くなります。

パテラでは、外れた関節が一時的に元に戻ることはあっても、自然に治る(完治する)ことはほとんどありません。放置すると関節炎や慢性的な歩行障害、変形、痛みにつながるため、早期の対応が重要です。

5.日常でできる予防と足腰ケア

クリニックにいるフレンチブルドッグ

パテラは生死に直結することはなくても、放置するとグレードが進み、歩行困難などに至る可能性がある病気です。愛犬の健康的な暮らしを守るためには、日頃からの予防とケアはとても大切です。

 

5-1.フローリング環境の整備(滑り止め対策)

まず、滑りやすい床は、犬の関節に大きな負担をかけます。特にフローリングは踏ん張りが効きにくく、膝に余計な力がかかりやすくなります。
滑りやすい床の対処法として、

・カーペットやマットを敷く
・滑り止め加工の床材を選ぶ

といった工夫が、パテラ予防につながります。

 

5-2.散歩・運動で筋肉を支えるポイント

筋肉がしっかりしていると、関節への負担が軽減されます。そのため健康な犬はもちろん、パテラを発症していてもグレードが低い場合は、獣医師とも相談のうえ、過度な運動は避けつつ、適度な散歩で筋肉を維持することが重要です。

また、

・体重管理を徹底する
・段差やジャンプを控える

ことも日常ケアの大切なポイントです。

 
■体つきや生活環境によるパテラのリスクについては、以下の記事で解説しています。
コーギーやミニチュアダックス など、人気の短足犬に脱臼が多い理由

<参考サイト>
https://midori-vet.com/information/department/orthopedic/patellarluxation/
https://minerva-ah.com/column/sick/patella-ope/

6.まとめ

つま先立ちや後ろ足を伸ばす仕草は可愛らしい反面、パテラなどの病気のサインである可能性もあります。特に小型犬は発症リスクが高いため、日頃から歩き方や動作をよく観察しましょう。

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石川 美代子

犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師(トリマー)。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。

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